amazonユーザーのレビュー
思わせぶりなしぐさだけが延々とつづく(2010-03-03)
- 浦沢 直樹というひとは、現在、日本で非常に高い人気を誇る漫画家であるということだが、正直なところ、これまでにその作品を心底面白いと思えたことが全くない。
たとえば『MONSTER』という作品があるが、それなど最悪の作品のひとつで、物語の結末を先送りすることだけに腐心する、空疎な作品である。
物語を簡潔に物語るという、作家としての基本が完全に疎かになっているのではないだろうか。
これを堕落といわずして何であろうか……。
この『PLUTO』という作品もやはり同様の作品である。
思わせぶりなしぐさだけが延々とつづき、最終巻では、唖然とするほどに感傷的な結末が用意されている。
そのあまりに陳腐な結末にこちらが恥ずかしくなるというのが正直な気持ちである。
設定のおもしろさのほかには、実際には、評価するべきことを見つけるのがむずかしい作品ということができるだろう。
漫画を読むときに、読者が求めるのは、何よりも純粋な「面白い!!」という感覚である。
そして、この『PLUTO』という作品には、それがないのである。
そこにあるのは、まるで中学生の作文にあるような、陳腐な感傷だけである。
全8巻というのは、この作家にしては短いほうだが、それでもひどく間延びしているように感じられる。
この半分くらいにまとめられるのではないだろうか。
とにかく、もういい加減にしてくれよというのが正直な気持ちである。
いつもの浦沢の70点の漫画。ただMONSTERと違い8巻でまとめただけ良(2010-02-21)
- アトムに熱中する世代でもなく、思い入れもないものからすると、
本当にいつもの浦沢さんの漫画って感じですね。
それほど魅力的な絵でもなく、ぐいぐい引き込まれるような面白い話でもなく
ただ全体として見れば読みやすく漫画としてはうまい、平均よりやや上の70点の漫画。
訴えかけるテーマが古いというより浅い。
やや時事ネタのイラク戦争にロボットを絡めれば新約として新しい視点が
得られたかというとそういうわけでもなかったし
実話ならともかく、創作でこんな話、今更読みたくないよと言う。
浦沢さんの漫画がいつも煮え切らないまま終わるのは、本人より、
アドバイザーの長崎さんの責任なのかもしれないなとも思ったりして
20世紀は、ある程度、私情丸出しで暴れていたぽい浦沢さんだけど
この漫画については本当にやりたかったんだろうか。
ただ、MONSTERやら20世紀と同じ謎で引っ張る手法を使いながら、8巻でそれなりに
終わらせたことだけは良かった。
これまでのようにムダに長い漫画は読みたくないですから。
お古のパンツの捨て時(2010-01-30)
- なんか矛盾が目立つ作品に成り下がったまま終わった感じです。
プルートゥが目から泪を流すシーンには“フン”といいながら目をつぶることにしましょう。
アトムが反陽子爆弾を作る数式を完成させるシーンには“アハハ”と笑っておきましょう。
こうして鼻で笑い続けながら読み進めると、やがて最後にブラウ1589が取る行動を見たあなたはつぶやくでしょう。
「絶対ない!」
テルさんが「ゴムの伸びきったお古のパンツ」と言ったことに同感です。
ゲジヒトの物語・・・・のはずが(2010-01-14)
- まず、★三つはこの8巻単体での評価です。このPLUTOは明らかに最初の頃(プルートゥが謎の存在の頃)の方が面白い内容でした。 最終巻ということで物語にピリオドをつけなければいけないのはわかりますが、明らかに コマ不足(テンポ早過ぎ)にも感じます。
個人的に最後までゲジヒト視点のままのラストを見たかったです。最後に来て『鉄腕アトム』にしなくてもよかったのでは?
しかし、思い帰せばわずか8巻の漫画とは思えないほど、重厚な物語を味わうことができました。個人的には20世紀少年やMONSTERより好きです。あと、8巻の最後の幕の閉じ方は とても巧みだと思います。
PLUTOは傑作です。
潰えた夢(2010-01-02)
- 当世売れっ子の一流漫画家が、かつての天才漫画家の二次創作を行うという
破天荒な企画も本巻でラスト。
……やはり、プロはプロです。二次創作になんて手を染めるべきではなかった。
それがわたしからみた感想です。
原作が作られた頃の時代はもう戻ってきません。それに、原作を編み出した
手塚さんも死に、もう10年以上が経過しています。その間に漫画業界も
大きく変わりました。
でも、やはりプロが他のプロの話を借りてきて二次創作を行うというのには
無理がありすぎです。もし浦沢さんが同人作家だとしたら、あり、だったでしょう。
でも、もう浦沢さんはプロとして一つの名声を築いた人なのですから……。
けっきょく、手塚治虫さんの手のひらの上で踊らされてしまっただけの企みに
終わったような気がします。
二次創作を行うのにも、やはり大義名分は必要です。でも、大義名分があったのか?
存在しなかったと思います。そして、多くの二次創作はけっきょく、顧みられないまま
消えていくのが定めです。だけど、そんな儚い存在だからこそ、原作に一矢報いる
ことができるのです。でも、報うべき要素が原作にあったでしょうか? 無いはずです。
浦沢さんは結局のところ、手塚さんが一番望まなかったことを徒労の果てに成し遂げて
しまったように思います。
でも、ラストは好きですよ。お疲れさまでした。
